種目:ソフトバレーボール
柔らかいボールの使用で愛好者も多い、あたっても痛くないバレーボール。コートはバドミントンコートを使用し、4人対4人でバレーボールと同じように行います。どの年代の人にも楽しみながらプレーしてもらえるようにと、ルール上ではサーブスの直接ブロック・直接アタックが禁止され、またクラス分けでは「ファミリーの部」「トリムの部」があり、必ず男女混合チームとなるように配慮されています。
より多くの人々がバレーボールの素晴らしさに触れ、生涯を通じてバレーボールを楽しむことができることを願って、1988年2月、日本バレーボール協会指導普及委員会の考案で競技規則が制定され、ソフトバレーボールの歩みが始まった。
同年8月には、神奈川県藤沢市で初の講習会が開催され、全国に紹介されている。
同年10月に山梨県で開催された「第1回全国スポーツ・レクリエーション祭」では正式種目に採用され、早くも全国大会が行われた。
その後、公認資格制度(ソフトバレーボール・リーダー→1991年)や、小学生を対象としたフリーポジション制ルール(ミニ・ソフトバレーボール競技規則→1992年)の確立により、着実に愛好者数を伸ばし、現在に至っている。
準備
用具
- 協会制定ソフトバレーボール(重さ210g±10g、円周78cm±1cm)
- ソフトバレーボール専用ネット(幅80cm)
- ソフトバレーボール用支柱(高さ2m、またはバドミントン支柱と補助ポール)
- アンテナ(1m)
- 得点板
コート
バドミントンコートの外側ラインを利用する。さらにその外側2mの範囲で、フリーゾーンを設ける。
ネットの高さは2mとする。
方法
人数
1チーム4名(交替競技者を他に4名まで置くことができる)ただし、ファミリーの部、トリムの部においては、競技中コートには次の規定の競技者が常に存在しなければならない。
(1) ファミリーの部
一家族の老夫婦・夫婦・小学生以下の子ども、または複数家族の夫婦・小学生以下の子どもで、コート内の競技者は大人2人(男女)、子ども2人とする。
(2) トリムの部
- ブロンズ・クラス
30歳代の男女と、40歳以上の男女、各1人
- シルバー・クラス
50歳代の男女と、60歳以上の男女、各1人
- ゴールド・クラス
60歳代以上の男女、各2人
進め方
- トスで勝ったチームがサービスかコートのいずれかを選択する。
- ゲームはサービスから開始され、両チームはボールを自陣コート側に落とさないようにし、ネットを越して互いに打ち合う。
- 得点はラリーポイント制で、サービス権に関係無く、どちらかのチームの得点となる。
- 各セットは15点先取制とする。14対14になったらジュースに入り、その後2点勝ち越したチームがそのセットの勝者となる。ただし、得点は17点で打ち切られ、1点差であっても17点を先取したチームは勝者となる。
- コートはセットごとに交替する。第3セットはトスによりコートを決定し、いずれかのチームが8点先取したときに交替する。そのときのサービス権は移行せず、交替時のまま続行する。
勝敗
3セットマッチ制で、2セット先取したチームが試合の勝者となる。
サービス
- サービスは、バックライトの位置にいる競技者が行う。
- サーバーは、自陣コートのエンドラインの後方のサービス・ゾーン内から、片方の手または腕でボールを打ち、相手側コート内に入れる。(ジャンプサービスの場合は、踏み切ったときの足の位置がサービス・ゾーン内であること)
- サービスは1回しかできない。(ネットに触れて相手側コートに入ったサービスは失敗であり、やり直しとはならず、相手チームの得点となる)
- サービスが打たれる瞬間、両チームの競技者は、定められた各ポジションに位置していなければならない。
- 第2セット開始のサービスは、第1セット開始時に行わなかったチームが行う。第3セットはトスによって決める。
- 「ファミリーの部」における小学校4年生以下の競技者は、ショート・サービス・ゾーンからサービスすることができる。
打球回数
- ボールは、3回以内の打球によって相手側コートに返す。(パスの途中などでボールがネットに触れても、打球回数の特例はない)
- ブロックによる、ボール接触は1回に数えない。(ブロック後の1回目の打球は、ブロックを行った競技者を含んで、誰にでも許される)
- 同一チームの2人の競技者が同時にボールに触れた場合は、1回と数える。(この場合、いずれの競技者も引き続いて打球することができる)
ポイント
以下の場合、相手チームに1点を与え、サービス権を持っているチームは、さらに相手にサービス権も与える。
- ローテーション順を誤ってサービスを行ったとき。(サービスの誤り)
- サービス・ゾーンの外でサービスを行ったとき。《フット・フォールト》
- サービスが行われた瞬間に、競技者が正規のポジションに位置していなかったとき。《アウト・オブ・ポジション》
- サービスしたボールが、ネットあるいはアンテナに触れるか、相手方競技者に触れずにボール・アウトになったとき。または、サービスをするためにトスしたボールを打たなかったとき。《サービス・フォールト》
- サービスされたボールをブロックしたとき。(ブロックの反則)
- サービスされたボールをアタック・ヒットしてそれが完了したとき。(アタック・ヒットの反則)
- 打球回数がブロックを除いて最大限3回を越えたとき。《オーバー・タイムス》
- 明らかボールが止まるようなプレーがあったとき。《ホールディング》
- 同一競技者が、明らかに2回続けてボールを打球したとき。《ドリブル》(ブロック後、および2人の競技者が同時に打球した後は、どの競技者が続いて打球してもよい。また、チームとしての第1回目の打球時は、1つの動作中のものであれば、身体の2カ所以上に連続して当たってもよい)
- イン・プレー中に、身体や衣服などがネットやアンテナに触れたとき。《タッチ・ネット》(ボールをプレーしようとしていないときに触れた場合は、反則とならない)
- 相手方コート上にあるボールに触れたとき。《オーバー・ネット》
- センターラインを完全に踏み越したとき。《パッシング・ザ・センターライン》(足または手の一部分がラインに触れているか、その真上に残っている場合は、許される)
- 以下の場合ボール・アウトとなる。
- ボールがコート外に落下するか、またはコート外の物体に触れたとき。
- ボールがアンテナのみに触れたとき。(アンテナとネットに同時接触した場合は、サービスを省きボール・アウトにならない)
- ボールが支柱とコート面に同時に触れたとき。(支柱だけへ接触した場合は、サービスを省きボール・アウトにならない)
- ボールが2本のアンテナ、またはその想像延長線の間を通過しなかったとき。
- ボールがネットの下を通過して相手方コートに入ったとき。
競技者の位置と移動
- サービスが打たれる瞬間、各競技者は定められたポジションにいなければならない。
- サービス後は、どのように移動してもよく、アタック・ブロックなど、ポジションによるプレー上の制限はない。
- サービス権を得た時は、直ちに時計の針と同じ方向へ、メンバーの位置を1つずつ移動する。《ローテーション》
- セット開始前なら、競技者のポジションを、前のセットと変更してもよい。
タイムアウト
- 競技者交替のタイムアウト
ボールがデッドのとき、各チームは競技者交替のタイムアウトを、1セットにつき4回以内(1セットの合計4名以内)でとることができる。ただし、コート内にいる競技者は、チームの構成で定められた年代の規定を満たしていなければならない。
交替競技者は、1セットに1度だけスターティング・メンバーと交替して競技に参加できるが、競技から退く場合は同じ競技者としか交替できない。
- 休息のタイムアウト
ボールがデッドのとき、各チームは休息のタイムアウトを1セットにつき2回、30秒までとることができる。
- セット間のタイムアウト
セット間に、3分間のタイムアウトを置く。
ミニ・ソフトバレーボール
対象
小学生 1~4年、5~6年
ボール
円周 64cm±1cm、重さ 150g±5g(4年以下) 180g±5g(5年以上)
ネット
高さ 1.80m
主なルールの違い
- フリーポジション制とし、フロントやバックなどの位置による制限を一切受けない。
- したがって、サービス権の移行による位置のローテーションは無い。
- サービスは、各セットの初めに決めた順序に従って行われる。
- 4年生以下の競技者は、ショート・サービス・ゾーンからのサービスが認められる。