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種目:ペタンク

ペタンク・室内ペタンク フランス生まれの気楽なスポーツ

小さい木の玉に金属のボールを、いかに近づけるかという、一見単純しかし、頭を使う楽しいスポーツです。

投げる場所を定め、2チームがボールを投げ合います。すべてのボールを投げ終わった時点で、相手のどの玉よりも目標球に近かったボールの数がそのまま点数となります。ゲームをくり返し、先に13点に達したチームが勝ちです。全国的に普及しており、特に子どもや高齢者に人気があるスポーツです。

外だけではなく、室内でもゲームができ、室内ペタンクもルールは同じです。


古い歴史を持つボール遊びの中で、ペタンクは近代に起源を持つ。1910年のある日、フランスのマルセイユの近くのシオタという小さな町で始まった。

そこではボール遊びの一種、プロバンサルが行われていた。かつてのチャンピオン、ジュール・ル・ノワールは慢性のリウマチに悩まされ、ただ1人、椅子に座ってプレーすることが許されていた。しかし、ボールの弾道に入った椅子を動かすためゲームが中断されるので、この寛容は禁じられた。

ある日曜日、彼は1つのビュットと6つのボールを持ち、1人であるゲームをしていた。

興味を持ってそれを見ていたエルネ・ピティオが彼にたずねた。

「そこで何をしているの?」「暇つぶしさ」「面白そうだね。地面に円を描き、円から足を出さずに投げるんだね」「ああ、そうさ!」

プロバンサルのように3歩の助走をしなくてもよいので、このゲームはル・ノワールに適していた。

長いブランクとリウマチのハンデにもかかわらず、彼の非凡な素質は衰えていなかったわけだ。

ピティオは翌日、翌々日とこのゲームを試みた。やがて彼らのまねをした漁師や航海士、駅員などの間に広まり、何ヶ月かしてこのゲームはマルセイユを中心に盛んになった。

こうしてペタンクが誕生した。

準備

場所

いかなる地面でも行うことができるが、土・小砂利などの地面がより適している。

幅4m、長さ15mぐらいの広さが必要。

室内用ペタンクを使用する場合は、室内でも可能。

方法

人数とボールの数

トリプルス(3対3)、及びダブルス(2対2)、シングルス(1対1)のいずれかで。

対戦する。トリプルスのときは各自2個ずつ、ダブルス、シングルスのときは各自3個ずつのボールを持つ。

進め方

  1. 競技者は全員コートに集合し、ジャンケンなどでビュットを投げる権利を決める。
  2. ビュットを投げる権利を得たチーム(1人)がスタート地点を定め、直径35~50cmのサークルを描き、その中からビュットを投げる。サークルは競技できない区域(溝、塀など)から1m以上離れていなければならない。コートが区画されていない時は、他のサークルから2m以上離れていなければならない。
  3. 同チームがビュットをめがけ、サークル内からボールを投げる。
  4. 次に、もう一方のチームがサークル内からボールを投げる。
  5. 続いて、ポイントをとっていないチーム(ビュットから遠いボールのチーム)がポイントをとるまでボールを投げる
  6. もし、一方のチームが持ちボールを投げ終わってしまった場合は、もう一方のチームは残りの持ちボールをすべて投げる。
  7. 1メーヌが終了した時点でポイントを計算する。メーヌとは、ビュットを投げて競技を開始してから最後の持ちボールを投げるまでの間のことで、セットともいう。
  8. ポイントがあったチームが、次のメーヌでビュットを投げる。

勝敗

  1. 競技は、どちらかのチームが13点を先取するまで続けられる。
  2. ただし、予選試合では11点とすることができる。

有効なビュット

投げられたビュットは、次の条件に適合している場合に有効である。

  1. ビュットとサークルの距離が6~10mであること。(高校生以上一般)
    ※小学生→4~8m、中学生→5~9mである。
  2. ビュットが競技できない区域(溝、塀など)から、1m以上離れていること。
  3. 両足をサークルの内側に入れ、直立の姿勢をとった競技者からビュットが見えること。

有効にならないビュット

  1. 投げたビュットが有効にならない場合は、3回まで繰り返して投げることができる。それでも有効にならない場合、ビュットを投げる権利は相手チームに移る。
  2. 相手チームも同様に3回までビュットを投げることができる。
  3. いずれの場合も、最初にビュットを投げたチームが、最初にボールを投げることができる。

メーヌ途中でのビュットの無効

次の場合、ビュットはメーヌ途中で無効になる。

  1. ビュットが、サークルから20m以上離れたとき、または3m以内近づいたとき。
  2. ビュットが移動して5分経過しても見つからないとき。
  3. ビユットが競技できない区域に入ったり、当たったりしたとき。
    注)メーヌ途中においてビュットがコートの境界線外に出ても、失格ラインを越えなければ、有効とする。ボールにおいても同様とする。

メーヌ途中で、ビュットが無効になった場合の処置

  1. 両チームとも持ちボールが残っている場合は、このメーヌは無効になる。
  2. 一方のチームだけ、持ちボールが残っている場合、その残りボールの数がすべてポイントとなる。
  3. 両チームとも持ちボールが残っていない場合は、このメーヌは無効になる。

メーヌ途中で、ビュットが止められた場合の処置

  1. 当てられたビュットが選手以外により止められた場合。
    → その停止位置を有効とする。
  2. 当てられたビュットが選手により止められた場合。ビュットを止めていないチームが次のいずれかを選ぶ。→
    1. 停止位置のままにしておく。
    2. 元に位置に戻す
    3. 元の位置から停止位置を結んだ延長線上の任意の地点に置く。

    この場合、続行可能な有効区域内とする。
    ※2)、3)はビュットにあらかじめマーキングされていなければならない。
    マーキングされていない場合は、その停止位置を有効とする。
    当てられ禁止地域に入った後、コートに戻ってきた場合は「メーヌ途中で、ビュットが無効になった場合の処置」が適用される。

ビュットが移動した場合の処置

メーヌ途中、ビュットが指定コート外へ移動した場合、次のメーヌでは第7条にづきビュットが移動する前にあった地点にサークルを描く。

留意点

投球時に関する規定

  1. ボールを投げるときは、両足をサークル内に入れ、線を踏んだまま投げてはならない。車椅子使用者は、サークルが車椅子の両車輪の中間にくるように、また足置きがサークルの先端の位置と並ぶようにする。下肢に障害のある者は、例外的にサークル内に片足を置いて投げることができる。
  2. 投げたボールが地上に落ちる前に、足がサークルから出たり、地面から離れたりしてはならない。
  3. 身体のいかなる部分も、サークル外の地面に触れてはならない。
  4. ビュットを投げた競技者が、必ずしも最初にボールを投げなくてもよい。(同チームであればよい)
  5. ボールは、1分以内に投球しなければならない。ただし、距離の測定が行われた場合は、測定の終了時からとする。

ポイント

  1. 相手チームのどのボールよりもビュットに近い自分のチームのボールがあるときは、その近いボールの数だけポイントとなる。(図を参照)
  2. ポイントの距離測定は、最後にボールを投げたプレーヤー、または同チームの他のプレーヤーが行う。相手チームが測定の結果に異議があるときは、自ら測定することができる。それでも決定できない場合は、審判の判定を仰ぐことになる。審判の判定は絶対である。メーヌの途中の距離の測定についても同様である。

第2メーヌ以後のサークルの位置

前のメーヌ終了時のビュットの位置を中心にサークルを描く。

ただし、次の場合はこの限りでない。

  1. サークルが競技できない区域から1m以内のとき。
  2. その位置からでは、ビュットを規定の距離に投げられないとき。

両チームのボールが、ビュットから同じ距離にある場合

それぞれ別のチームに属する2つのボールが、ビュットから同じ距離にあり、同点の状態にある場合、あるいは両方のボールがビュットに接触している場合は、次の処置をとる。

  1. 両チームともに持ちボールが残っていない場合は、引き分けとする。このケースのときはその前のメーヌで勝ったチームに、次のメーヌでビュットを投げる権利がある。
  2. 一方のチームだけ、持ちボールが残っている場合は、そのチームが残りの持ちボールを全部投げたあと、最終的にビュットにより近いほうのボールがポイントとなる。
  3. 両チームともに持ちボールが残っている場合は、最後にボールを投げたチームが、次の第1球目を投げ、次に相手チームが投げる。以後、持ちボールが無くなるまで通常どおりにメーヌを続ける。

投球の目的と種類

(1) ポワンテ

ボールをビュットに近づけるように投げること。

ルーレット 最初から転がす。
ポルテ 高く投げる。落下地点からほとんど転がらない。
ドゥミポルテ あまり高く投げない。落下地点からやや転がりがある。

(2) ティール

ボールやビュットをはじき飛ばすこと。

(3) プーセット

ボールに当てて、押すこと。